大人になるって、こういうこと? 映画『シェルブールの雨傘』感想
GYAOで『シェルブールの雨傘』をやっているので、
久しぶりに観てみた。
主演 カトリーヌ・ドヌーヴ、
監督・脚本ジャック・ドゥミ、
音楽ミッシェル・ルグランの
お馴染みの名トリオの名作。
(このトリオで、
『ロッシュフォールの恋人達』
『モン パリ』も撮られています。
こちらもおすすめです!)
もし『フランス映画』という授業があったなら、
必須科目になっていたでしょう、この映画。
たぶん、観たのは、十数年ぶり三回目、のはずなのに、
オープニングからすでに、予想外。
こんな感じでしたっけ?
『街で人が行きかうイメージ』
というのは忘れていなかったのですが、
その動きや色、出演者の字幕の位置までが
とても計算されて撮られていて、驚いた!
こんなにも、きちんと全てを意図して撮られていたなんて、
前に観た時には、気付いていなかったのかも。
う〜む、最初から素晴らしい…
こういう所が、古い映画の良い所ですね。
映画がまだ『消費されて忘れ去られていくもの』に
なっておらず、
今よりも『芸術・アート』寄りだったのですね。
ストーリー自体は、まあ良くある話しで、
一言で言っちゃうと、
『戦争に運命を翻弄された男女の話し』です。
実は、前に見た時は、若かったせいか、
『男はいいよね。生むわけじゃないし。勝手だよね。』
という気持ちが強かった。
けれど、今回観た時は、全く違う印象を受けました。
戦争で死ぬかもしれないと思ったら、
そうなるかもと思いました。
前は、物語を読みこめていなかったのか?
それとも、大人になって、
『死』を理解するようになったのか?
こういう名作は、何度でも観れるし、
自分の変化も確認できるので面白いですね。
登場人物が全員、
悩みつつ、迷いつつも、自分で決断し、人のせいにしていない。
被害者面もしない。
恨みつらみも言わない。
言い訳もしない。
年は若いはずなのに
(カトリーヌが演じるジュヌヴィエーヴなんて17歳の設定)、
みんな大人だ。
というよりも、
みんな急激に大人になるしかなかったのかもしれない。
妥協ではなく、諦めでもなく、
理想とは違うかもしれないけれど、
その時の選択肢の中でベストな事を自分で選んで決めたというか。
だって、完璧な物事なんて、どこにも無いですものね。
本当はああしておけば!と思ったとしても、
実際にそれが良かったかなんて、
誰にも分からない。
だから、自分で決める。
そして後から言い訳しない。
(この辺りも、前に観た時は気付かなかった部分。)
もしかしたら、
最初は、観ていて違和感があるかもしれません。
なぜなら、全員が歌っているからです。
(ミュージカル仕立てなのです)
が、途中で慣れて、気にならなくなりますので、
それまで、我慢して(?)がんばって観てください!
出てくるお洋服やインテリアが素敵です!
特に、カトリーヌが着ているお洋服が、
役に合わせて、17歳、マタニティ、ウェディング、マダムになってからと、
段階を踏んで変わっていくので、
色々なパターンが観られて楽しいです。
こういうお洋服の古着、増やしたいな〜。
結局の所、若い時に、
こういう良い映画を沢山観ておいたのが、
心の貯金になっていて、
今の原動力になっている気がします。
これからも、沢山観ようと思いました。
さらに未来の心の貯金の為に。
GYAOで7月15日まで観られるので、
興味のある方は是非!
http://gyao.yahoo.co.jp/player/00449/v02987/v0296700000000513402/
(GYAOの回し者ではないです。
紹介しても私にはなんのメリットもないでーす。念のため。)
JUGEMテーマ:おすすめの一本!!(洋画)
- 2016.07.04 Monday
- 映画
- 22:10
- comments(0)
- -
- by エシホリ(旧ランホリ)